• 公開日:2015年05月01日
  • 最終更新日:2017年08月17日
フェレット

フェレットって、どんな動物なの?
について、記述しています。

フェレットの概要

名称は?

フェレット(英: ferret)

何科?

イタチ科

由来

イタチの一種であるヨーロッパケナガイタチもしくはステップケナガイタチから家畜化されたものです。

ヨーロッパケナガイタチヨーロッパケナガイタチ

フェレットはどれくらい前から居たの?

3000年ほど前から飼育されていたと考えられています。

イタチ科の他の仲間は?

イタチ、アナグマ、オコジョ、カワウソ、ナズナ、テン、ラッコ、などが挙げられます。

イタチ科の歴史

イタチ科は、24属55種もの数に分類され、
その数から「世界でもっとも成功した動物種」とも言われています。

ですが、体の構造は古く、未熟な面も多いとされています(体熱の放出器官など)。

イタチ科は同種の数が多いけれど、

「海洋上に棲むラッコ」
「森に棲むテン」
「川に棲むカワウソ」
「山間部に棲むオコジョ」

など、生息地を分け合うことで同族同士の争いが起きにくく、
その数を増やして行けたと推測されます。

何を食べるの?

肉食性、哺乳小動物

由来

野生で暮らしていたフェレットの先祖は、ほぼ完全な肉食でした。
ネズミなどのげっ歯類やウサギ、小鳥、カエル、ヘビ、昆虫まで、とりあえず捕まえられるものは食べてしまいます。
体の小さなイタチ類ですが、自分の何倍もの大きさのあるウサギも捕らえることから、「トラやライオン以上の殺し屋だ」とも言われています。

発祥の地は?

古くからヨーロッパで飼育され、現在は世界中で飼われています。

カワウソアナグマ

ペット以外のフェレットの役割とは?

狩猟、掃除、実験、毛皮採取などに用いられています。

狩り

その昔、ヨーロッパにおいて、フェレットは狩りに珍重されていました。
フェレットがウサギや齧歯類などの獲物を巣穴から追い出し、それを猟師が狩るという方法です。
今でもイギリスやオーストラリアでは続いている手法です。また、ネコと同様に、ネズミ退治にも利用されています。

フェレット 狩りフェレット 狩り

掃除

フェレットは狭い菅の掃除にも用いられました。
フェレットの狭い所を好み入っていく習性を利用して、

紐を2点の菅に通して、それからブラシを通して管の中を掃除するという方法です。

フェレット

電気の配線のお手伝い

電気が普及すると、フェレットに電線やケーブルを繋いだ紐を繋ぎ、狭いところの配線を手伝わせていました。
ロンドンオリンピック(1908年)でもフェレットは上記の工事に大活躍をしたとされています。

フェレット 管フェレット 管

実験

フェレットは、近年新型インフルエンザや、いろいろなところで動物実験に使用されています。
ウサギなどと同様、鳴かない手頃なサイズで動物実験に使いやすいのでしょう。

特に腫瘍の発現を特化させるようにしたフェレットを生み出して、癌研究に用いられています。

毛皮採取

高級なミンクの代わりとして「プアマンズ・ミンク」として毛皮の改良に特化された歴史もあります。

生きたまま、毛を剥がれて毛皮になります。
あるときは毒ガスで、あるときは首の骨を折られて。

フェレット 毛皮

フェレットのファーム

現在は、アメリカ合衆国・カナダ・ニュージーランド等に、ペット等としてのフェレットを繁殖させる大規模なファームがあります。
出身ファームごとに「マーシャル」、「パスバレー」、「カナディアン」、「ミスティック」、「サウスランド」、「マウンテンビュー」などと、ファームの名称が冠されて販売されています。
ただし、犬・猫のように明確な品種の差があるわけではなく、基本的には全て同様のフェレットです。
ファームにより体格・性格・毛色等の傾向に一定の差があり、それぞれにファンがついています。

また、近年新たなファームが出現と消滅を繰り返している状況で、一時アジア、オセアニア圏の新興ファームが日本向けに生体を輸出したこともありました。
現在では中華人民共和国で繁殖された個体もペットとして輸入、販売されています。

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昔から、フェレットは人々と生きてきたのですね。
とても、馴染みの深い生き物です。